概要
ALIBRasterは、アートロジック社が開発したラスタ編集ライブラリで、高度なラスタ編集機能を簡潔なAPIで提供するものです。
このライブラリを用いることで、ペイントソフトやフォトレタッチソフトと同様のラスタデータに対して、ドローソフトやCADソフトのような編集機能を開発することができます。
2008年1月時点では以下の機能を組み込んだα版をリリースします。
- ラスタ読み込みサポート
ラスタを、文字列図形、線図形、面図形にレイヤ分割し、指定したレイヤに配置します。
- 表示サポート
ラスタは216(6 * 6 * 6)のレイヤに自由に配置することができます。
各レイヤにパレットを割り当てて、24ビットフルカラー画像/8ビットパレットカラー画像として表示することができます。
- 頂点の移動
線図形の頂点を移動することができます。
- 頂点の削除
線図形の頂点を削除することができます。
- 頂点の切断
線図形を適当な頂点で二つに分けることができます。
切断した箇所は線分の端点となり別個に移動、削除することができます。
- 頂点の挿入
線分の途中に頂点を挿入することができます。
- 文字列図形、線図形、面図形の削除
文字列図形、線図形、面図形を削除することができます。
- 文字列図形、線図形、面図形の移動、コピー
文字列図形、線図形、面図形を移動・コピーすることができます。
- 線図形の回転(※1)
線図形を回転中心と角度を与えて回転することができます。
- 線図形に対する画像処理
線図形を細線化、太線化することができます。
線図形を均等な線幅のノイズの無い線図形に整形変換することができます。
- アンドゥ・リドゥサポート
アンドゥ・リドゥをサポートする機能を提供します。多段階アンドゥ・リドゥやファイルを使った処理も可能です。
- 描画機能
ポリライン(複数の線分から成る図形)、ポリライン集合(複数のポリラインから成る図形)、長方形枠、楕円枠、塗りつぶし長方形、塗りつぶし楕円、任意の面図形(集合)を描画することができます。
※1:α版リリースでは組み込まれていませんが、2~3ヶ月以内に以下の機能を付加します。APIマニュアルへの記述があります。この段階でAlibRasterバージョン1.0とします。
- 面図形・文字列図形の回転
面図形を回転中心と角度を与えて回転することができます。文字列画像も面図形として回転することができます。
- 線図形、面図形・文字列図形の拡大・縮小
線図形、面図形を、中心と倍率を与えて拡大・縮小することができます。文字列画像も面図形として拡大・縮小することができます。
ALIBRasterライブラリは、2023年中に以下の機能を付加します。まだマニュアルへのAPIの記述はありません。
文字認識機能の組み込み、記号レイヤのサポート、破線サポートがバージョンアップの主な内容です。
この段階でAlibRasterバージョン1.1とします。
- 文字列認識機能
文字列画像に対して文字コードによるアクセスを可能にします。
- 文字列検索機能
文字列画像に対する検索機能を提供します。
- 文字列画像のレンダリング
文字列画像をフォントから生成したものに整形変換することができます。
同時にフォントの変更(書体、太字、サイズ)もできるようになります。
- 文字列の描画機能その2
任意の文字列を文字列画像として挿入することができるようになります。
面図形として挿入した場合は検索や文字列画像編集の対象となりませんが、文字列として挿入した場合は検索や文字列画像編集の対象となります。
- 文字列画像の編集機能
文字列画像をテキストエディタやワープロのように編集することができるようになります。
- 記号レイヤの追加
登録した記号を認識し、記号レイヤに配置します。入力画像は、文字列図形、線図形、面図形、記号の4つに分かれます。
記号単位で削除、移動、回転、拡大・縮小が使える以外に、別の記号との置換機能も提供します。
- 線図形変換
線図形を破線、実線に相互変換することができます。破線はいくつかのタイプが用意されます。
- 円弧・円認識
円弧・円を認識します。バージョン1.0では拡大した場合に円の頂点間が直線で結ばれているために、円らしさの無い多角形になります。
円弧・円認識した場合は、頂点間のラインを円弧近似するために拡大しても円の見た目を保ちます。
ユーザーズマニュアル